人間が苦手なクールな獣医師が恋をして一途に迫ってきます
自ら子犬の治療を始める。手際がいい。すぐに看護師がやってきて、指示を出す。
私は黙って立ちすくむしかなかった。
「山井さんは、廊下で待っていて」
「はい」
ここにいても何も役に立つことができない。邪魔になってしまうので私は廊下に出た。
椅子に腰をかけて、どうか命が助かりますようにと祈っていた。それくらいしかできないことがものすごく悔しかった。
私と宍戸ドクターが一緒に病院に帰ってきたことを聞きつけたのだろうか。まりえさんがものすごい剣幕でやってきた。
「二人で一緒にいるって、どういうことなの? お付き合いしてるの? 前にホテルにもいたでしょ? 見たんだから!」
第一声が子犬の命の心配よりも、私と宍戸ドクターの関係についてだったので切なくなった。
「いえ……」
「隠すことないわ。正直に言いなさいよ」
責め立てるように聞いてくる。
「……お付き合いはしていません」
私は黙って立ちすくむしかなかった。
「山井さんは、廊下で待っていて」
「はい」
ここにいても何も役に立つことができない。邪魔になってしまうので私は廊下に出た。
椅子に腰をかけて、どうか命が助かりますようにと祈っていた。それくらいしかできないことがものすごく悔しかった。
私と宍戸ドクターが一緒に病院に帰ってきたことを聞きつけたのだろうか。まりえさんがものすごい剣幕でやってきた。
「二人で一緒にいるって、どういうことなの? お付き合いしてるの? 前にホテルにもいたでしょ? 見たんだから!」
第一声が子犬の命の心配よりも、私と宍戸ドクターの関係についてだったので切なくなった。
「いえ……」
「隠すことないわ。正直に言いなさいよ」
責め立てるように聞いてくる。
「……お付き合いはしていません」