キミと桜を両手に持つ

 「…──病める時も健やかなる時も、悲しみの時も喜びの時も、貧しい時も富める時も、これを愛し、これを助け、これを慰め、これを敬い、その命のある限り心を尽くすことを誓いますか?」

 「はい、誓います」

 一樹は誠意を持って誓い、凛桜も同じように一樹に誓う。

 次に二人で向き合うとまずは一樹が凛桜の薬指に自分とお揃いのシンプルな結婚指輪をはめる。そしてはめたばかりの結婚指輪の上に今度は婚約指輪をはめて、今誓ったばかりの永遠の愛にロックをした。その後凛桜が同じように一樹の手を取って指輪をはめる。

 一樹は彼女のベールをそっと持ち上げると自分の妻となった凛桜を見つめた。彼女も嬉しそうに微笑む。そんな愛しい彼女に一樹は誓いのキスをした。


 式が無事終わり皆が祝福する中、凛桜と手を繋いで教会の外に出ると目の前にある大きな桜の木には桜が咲き乱れていて参列者から投げられる祝福の花びらが舞っている。

 「一樹さん、私を愛してくれてありがとう」

 凛桜は満面の笑みを浮かべて一樹を見上げた。そんな彼女にそっと口付けすると微笑んで彼女を腕に抱いた。

 一年前日本に帰ってきた時、美しい桜の花びらが舞う桜並木の下を凛桜と一緒によく歩いたことを思い出す。あの時この美しい景色をずっと凛桜と一緒に眺めたいと思った。なんとしてでもこの幸せを、彼女を、手に入れたいと思った。そして今、あの時願った全てが自分の手の中にある。

 立ち止まって目の前にある美しい風景を眺めていると凛桜が一樹を覗き込んだ。

 「どうしたんですか?」
 「……いや、幸せだなと思って……」

 一樹は凛桜に微笑むと、彼女の手を握りしめた。そして皆に祝福される中、来年もそしてそのまた次の年も永遠に彼女と過ごす幸せな未来へと歩き出した。




The End


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