無口な脳外科医の旦那様、心の声(なぜか激甘)が漏れてます!
そんなことを考えながら久しぶりの自宅のリビングのソファに腰を下ろした。
克樹さんとふたりきりという慣れない状況が気まずくて、普段はあまり見ないテレビをつけて賑やかにしてみる。
ちょうど美味しそうなうな重のCMが流れていて、そう言えば最近食べてないな、なんて考えながら眺めていた。
「食慾はあるか?」
その声に振り向くと克樹さんが、私をじっと見つめていた。
「うん、まあまあかな」
「そうか」
――羽菜はウナギが好きそうだな、後で手配しよう。
短い返事の後に続いたのはやたらとはりきった声音だった。
適当に食べるから気を遣わなくていいよと、言いそうになった言葉を寸前で飲み込む。
「今日は無理をせず休むように」
克樹さんは私に念を押すと、すぐに病院に戻って行った。
そして午後六時になると、コンシュルジュ経由でうな重が届いたのだった。
昼間うな重を手配しようと、呟いた彼の声が蘇る。
「……やっぱり、間違いない」
あの不思議な声は、克樹さんの心の声なのだ。
私は出来立てのうな重を眺めながら、確信したのだった。
克樹さんとふたりきりという慣れない状況が気まずくて、普段はあまり見ないテレビをつけて賑やかにしてみる。
ちょうど美味しそうなうな重のCMが流れていて、そう言えば最近食べてないな、なんて考えながら眺めていた。
「食慾はあるか?」
その声に振り向くと克樹さんが、私をじっと見つめていた。
「うん、まあまあかな」
「そうか」
――羽菜はウナギが好きそうだな、後で手配しよう。
短い返事の後に続いたのはやたらとはりきった声音だった。
適当に食べるから気を遣わなくていいよと、言いそうになった言葉を寸前で飲み込む。
「今日は無理をせず休むように」
克樹さんは私に念を押すと、すぐに病院に戻って行った。
そして午後六時になると、コンシュルジュ経由でうな重が届いたのだった。
昼間うな重を手配しようと、呟いた彼の声が蘇る。
「……やっぱり、間違いない」
あの不思議な声は、克樹さんの心の声なのだ。
私は出来立てのうな重を眺めながら、確信したのだった。