無口な脳外科医の旦那様、心の声(なぜか激甘)が漏れてます!
「うっ……んん……」
そのうち抵抗の意志すらなくなり、私は彼が与えてくれる心地よい感覚に身を任せるようになっていた。
キスがこんなに濃厚で夢中になるものだとは思わなかった。
頭の中がぼんやりして、今この瞬間に感じる感覚しか意識できない。
克樹さんの手が私の体中に触れる。気づけばホテルで用意されていたワンピース型のパジャマが脱がされ、彼に素肌を晒していた。
克樹さんの手と唇が私の体中に触れて熱を与える。
初めての感覚に耐えられなくて、恥ずかしいのに声が止まらない。
「あっ、ああ……」
「羽菜……すごく綺麗だ」
目を開く余裕なんてないのに、克樹さんの声が聞こえてくる。
これは心の声じゃないの? でもこんなに甘い言葉を彼が言うわけがないのに……。
「羽菜……愛してる」
彼は何度も何度も私の名前を呼びながら、愛をささやく。
その間も強い刺激を与えらえれるから、深く考えることができなくなる。
気づいたときには克樹さんが私の足を大きく広げてるところだった。
急に現実に戻ったように不安がこみ上げる。
「あの克樹さん、私初めてで……」
克樹さんが目を見開き、それから見惚れてしまうくらい優しく微笑んだ。
「優しくするから」
彼のものがゆっくり入って来る。その圧迫感に私はぎゅっと目を閉じた。
話には聞いていたけれどすごく痛い。
でも辞めてほしいとは思わなかった。
このままちゃんと抱いてほしい。
シーツをぎゅっと掴む私の手を、克樹さんの手が包む。
「羽菜、もう少しだけ我慢して」
彼は私を慰めるように優しいキスをあちこちに落とす。
「んっ……大丈夫」
「……入った」
最奥まで彼のもので満たされて、私ははあと息を吐いた。
痛いし苦しい。でもそれ以上の感動が胸の中を満たしている。
これで彼と本当の夫婦になった。そんな気持ちになったのだ。
「羽菜……大丈夫か?」
――もう彼女を手放せない。彼女は俺――
優しく気遣う声と共に、独占欲が滲む声がする。
彼の激しい本音に動揺したが、彼が律動を始めるとそれすらも感じられなくなっていった。
「愛してる」
「あっ、克樹さん……」
その夜、広いベッドで揺さぶられ続けて疲れ果てた私は、気絶をするように眠りに落ちがのだった。