無口な脳外科医の旦那様、心の声(なぜか激甘)が漏れてます!
「謝ってほしいわけじゃないの。こうなったのは克樹さんだけが悪いわけじゃなくて、初めから破綻していた夫婦関係だったのに目を背けていた私にも問題があったと思う。でも気づいたからには正したいの。もちろん政略結婚だから簡単じゃないのは分かってる。うちの父もお義父様も離婚なんてよくないと大反対するだろうし。だから円満に離婚して今後も両家が良い関係でいられるように、克樹さんと協力したいと思って今日こうして来てもらいました」
事前に話そうと考えていた内容を、漏らさず伝えた。
克樹さんはさっきから動揺が続いているようだけれど頭脳明晰な彼のこと。そんな状態でも私の話をしっかり聞いて理解しているはずだ。
冷静になったら必ず同意してくれるはず。突然の離婚話で驚きはしたみたいだけれど、克樹さんだって私と離婚したいと思っていたのだから、円満離婚の申し出なんてまたとない好機だろう。
伝えたいことを言い終えた私は達成感に満たされながら、すっかり冷めてしまったコーヒーカップを手に取った。
口の中に苦みが広がる。甘いものが好きな私がミルクと砂糖を入れ忘れてしまうなんて、結構緊張していたんだなあ……などと考えていたとき、それまで置物のようにじっとしていた克樹さんが動く気配がした。
カップの中の真っ黒なコーヒーに落としていた視線を前方に向ける。すると克樹さんが見たこともないような険しい表情をしている。
「離婚はしない」
「え?」
今、なんて?
思わず眉をひそめた私に克樹さんがはっきりと宣言する。
「俺は離婚する気はない」
聞き間違い……ではないよね?
「いや、でもどうして?」
事前に話そうと考えていた内容を、漏らさず伝えた。
克樹さんはさっきから動揺が続いているようだけれど頭脳明晰な彼のこと。そんな状態でも私の話をしっかり聞いて理解しているはずだ。
冷静になったら必ず同意してくれるはず。突然の離婚話で驚きはしたみたいだけれど、克樹さんだって私と離婚したいと思っていたのだから、円満離婚の申し出なんてまたとない好機だろう。
伝えたいことを言い終えた私は達成感に満たされながら、すっかり冷めてしまったコーヒーカップを手に取った。
口の中に苦みが広がる。甘いものが好きな私がミルクと砂糖を入れ忘れてしまうなんて、結構緊張していたんだなあ……などと考えていたとき、それまで置物のようにじっとしていた克樹さんが動く気配がした。
カップの中の真っ黒なコーヒーに落としていた視線を前方に向ける。すると克樹さんが見たこともないような険しい表情をしている。
「離婚はしない」
「え?」
今、なんて?
思わず眉をひそめた私に克樹さんがはっきりと宣言する。
「俺は離婚する気はない」
聞き間違い……ではないよね?
「いや、でもどうして?」