無口な彼の内情を知ったら、溺愛されるようになりました……!?
ふらっと
♡♡♡
二日後。週が明けた月曜日。一限目の授業は、八時四十分から。今、七時十五分。学校へ来たのは、六時半。始業の二時間十分も早く学校へ来ているのは、資料をまとめているから。
静かな教室でパチン、カチッと無機質な音が響く。これは、今日の授業で使うプリントをクラスメイト分ホッチキスでまとめている。
私は、学級委員として縁の下の力持ち的な仕事をしている。先生達も忙しいから、少しでも役に立てる為に。
みんなだって、資料がなかったら困るだろうし。
普段なら、こういう黙々とした作業は好きなんだけどーー。
『無駄話するな』
一昨日、緑谷くんに言われた言葉を時折思い出し、その度に手を止めてしまう。
ズキッと頭が痛んだ。
うぅ……私、こんなに打たれ弱かったなんて。ハッキリとキツイことを言われ、緑谷くんが私を嫌ってるって分かった。
人の役に立ちたくて、嫌われたくなくて、頑張ってきたつもりだった。
ーーこんな考え、傲慢だったんだ。
今日、何度目か分からない落ち込みをして気持ちが落ち着き再度作業に戻ると、ガラッと教室の扉が開いた。
誰ーー?
こんな早くに登校する人なんてーー。