無口な彼の内情を知ったら、溺愛されるようになりました……!?
目を覚ますと
♡♡♡
数時間後。
ゆっくりと目を開けると、目の前には白い天井が広がった。薬のにおいがツンと鼻にくる。ゆっくりと頭を動かすと、白い布がひらひらと動く。
どうやら私は白いカーテンで四方を囲まれたベッドに横たわり、眠っていたーーみたい。
ここは、病院ーーかな?
でも、どうして病院に……?
「ーー緑谷くん。授業はもう始まっているのよ? いい加減、教室へ戻りなさい」
(まったく、後で怒られるのは私なのよ?)
「すみません。あと少しーー彼女の様子を確認させて下さい」
(クソッ。どうして昨日、無理にでも病院に引っ張って行かなかったんだ……! 倒れるほど、弱っていたと何故気付けなかった)
誰かが話しているのは、なんとなく分かる。でも、はっきりと声が聞こえるのは二人だけ。二人が会話を終えた後に、聞こえにくいけど確かに何かが聞こえる。
違和感の正体を確かめる為にカーテンに手を伸ばして開けると、養護教諭と緑谷くんがいた。
病院だと思っていたが、見覚えのある部屋の中にここが保健室だと分かった。
カーテンを開けた音で、勢いよく彼がこちらを見た。その勢いに、思わずピクッと肩を上げた。