由良くん、愛さないで
どうってことない


╰𒀭ॱ˖


幼い頃に両親を事故で亡くした。

両親は若い頃に双方の親から結婚を反対されて駆け落ちし、頼れる親戚も祖父母もいないわたしは、なんとか自力で生活費を稼ぐ他なくなった。


そしてわたしは、闇バイトに手を染めた。



それは、時給五万円の〝殺し屋〟。

小学生の頃は先輩の補佐として人を殺してきた。


はじめてのバイトの日は、息が吸えないほどパニックに陥り、吐いてばかりで眠れない夜が続いた。


慣れるのには当然時間がかかった。


だけど、人の心を失っていくのは時間の問題。

中学生になったわたしは、ついに人の心さえ失ってしまった。


うれしい

ゆるせない

かなしい

さびしい

たのしい

いとしい


そんな感情ぜんぶ、感じなくなってしまった。



わたしは……

わたしは───────バケモノだ。



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