悪女だってヒロインになりたいんです。
「最低ー」

「誰か、先生呼んできて」


美亜を庇いながら冷ややかな視線を向けてくる生徒たちに、弁解なんてできるはずもなかった。


どこまでも美亜は私を悪女にしてくる。

そして周りから悪女だと思われている私が、今更誰かのヒロインになれるはずがなかったんだ。もう、手遅れだったんだ…。


「…ふっ」


どこからか聞こえてきた笑い声に、顔を上げなくても誰のかわかってしまう。

美亜はこうなることが最初からわかっていたかのように、みんなの輪の中で守られながら誰にも気づかれないくらい小さく笑っていた。

バカな私を嘲笑うかのように、勝ち誇った顔で…。



窓の外から聞こえる生徒たちの楽しそうな声を聞きながら、真っ暗な部屋でベッドの上で体育座りをして自分の膝に顔を埋める。

あの後やってきた先生に事情を聞かれたけど、美亜の迫真の演技で今回も全て私のせいにされて夜のキャンプファイヤーは部屋で謹慎するようにと言われた。

事件を起こした張本人はきっと今頃、キャンプファイヤーを楽しんでいるのだろう。


今回で再認識したが、私が今更何かを変えようとしたって美亜に勝てることはないんだ。

悪女はこの先もずっと死ぬまで、この役を演じ続けなければならない。
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