眠り王子と夢中の恋。





放課後、私は小春の所へ向かった。

もうすぐのテストに向けて、教室にはほぼ全員が残って自習を始めていた。



「え?ねぇ、なんかきたんだけど」

「謝りに来たんじゃない?
無礼な口を聞きました〜って」

「言えてるー!」



ふぅ、と息を吐き出す。



「小春、話があります」

「は……?」

「聞きたいことがあるのです」

「……まぁいいわ、あんたらはちょっとごめん」



そう言って、小春は一人で私についてきてくれた。
空き教室に入った二人の間に沈黙が流れる。


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