眠り王子と夢中の恋。
玲音と同じ時間を現実でも過ごせればいいのに、と思ったことは何度あるだろう。

きっと楽しいんだろうな。
一日中玲音の顔が見れて、声も聞けるのだから。

「でも、私はいつも玲音のことを考えています。学校にいる時も、家にいる時も、私の中にはいつも玲音がいます!……あっ」

つい、たくさん語ってしまった。
余計(?)なことまで喋ってしまった……!

どんどんと恥ずかしくなってくる。

玲音は驚いた顔をしたあと、顔に手を当てて俯いた。

「すみません、忘れてください」

「いや、無理。嬉しすぎるから一生覚えとく」

「えええ……」

私は何をしている時も玲音のことを思っている。

それは変わらない事実だから──。
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