眠り王子と夢中の恋。
トマラナイ鼓動
9月の終わり頃になり、少し暑さも収まってきた。

朝、また頭痛がしたため今も少し痛む頭を押さえる。

学校までの道を歩いていると、肩をトンっと叩かれて振り返る。

「鈴崎さん、おはよ」

「あ……おはようございます、朝霧くん」

朝霧蓮くん。
こんな私にもみんなと変わらず優しく接してくれて、男子の中で唯一安心して話せる恩人のような人。

一部には『れんれん』というあだ名で親しまれている。

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