眠り王子と夢中の恋。
なんとかあるものの中から選び、急いで準備をして家を出る。

小春から個人のLINEで送ってもらった写真を頼りに20分歩き、『桜咲』と書かれた表札がある家のチャイムを押した。

「あ、鈴崎さん!」

「やっほー」

「ようこそ私の家へ〜。って、え?」

小春が眉間に皺を寄せる。

「……どうかしましたか?」

「その服……どしたの?」

真っ白で少し袖がフワリとしたトップスに真っ黒で丈が長く裾が広がったボトムス。

オシャレな服を選んだつもりなのにシンプルになってしまった。

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