眠り王子と夢中の恋。
「じゃあ次ここ座って目閉じて」

前に大きい鏡がある椅子に座ると小春が腕まくりをした。

「よーし、変身スタート!」

アイシャドウ、リップ、チーク……
されるがままメイクが施されていく。

「まだ目開けないでおいてね」

そう言って小春は次に髪の毛をとかしはじめた。

色々な道具を使っている音がする。
目を開けるのが怖い。髪なくなってるかも……

「はい、完成!」

恐る恐る目を開けると、鏡に写った自分にびっくり。

目が何倍にも大きく見えるし、
唇は艶があって頬がほんのり色づいている。

髪は全体的に先が緩く巻かれ、編み込みのハーフアップで大きな白いリボンで留められている。

いや、多分これ私じゃないです……。

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