眠り王子と夢中の恋。
「美夜」

昼頃、ぼーっとしながら椅子に座っていると
部屋のドアを開けて兄が入ってきた。

「外に男の子が来てるんだけど」

「……?」

髪を整えて下に降り、扉を押し開ける。

「鈴崎さん……っ」

息を切らしながら立っていたのは、朝霧くんだった。

思いがけない人物に目を見張る。

今にも倒れてしまいそうに疲れている。
少し迷ってから家に上げた。

自分の部屋に通し、座ってもらう。

「ごめんね、急に押しかけたりなんてして。
でも桜咲からメッセージが来たから、いても立ってもいられなくて」

小春……朝霧くんに何か送ったのだろうか?

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