眠り王子と夢中の恋。
「好きな子が苦しんでたら助けたいって思うのは、普通だろ?」

「朝霧くん……」

そんなところまで優しいなんて。
はやく私の事なんて諦めれば良いのに。

私より魅力的な人なんてごまんといるのに、その中で私を唯一と言ってくれているんだ。

どうして、神様は不平等なんだろう。

どうして、全員を幸せにしてあげられないんだろう。

どうして、誰かが苦しまないといけないんだろう。

「教えてほしいんだ、俺にも。
苦しみも一緒に背負ってやるからさ」

朝霧くんの太陽みたいな笑顔に促されるように、
私はぽつりぽつりと話し始めた。
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