眠り王子と夢中の恋。





翌日は休日で、図書館で勉強してから家に帰るとまた璃來さんがいた。

兄お手製だと思われるチョコプリンを頬張っている。



「まぁ、美夜ちゃんじゃない!おかえり〜」

「……はい」



今日は何をしにきたのだろう。



「美夜、おかえり。
ちょうどいい、璃來に勉強見てもらいなよ」

「……はい……え?」



思考回路が止まる。

一体兄は何を言っているんだろう?



「でも美夜ちゃんすごく勉強できるんでしょ?」

「え……いえ、そんな」

「んー、じゃあ勉強がてらおしゃべりしましょ!」

「……」



『おしゃべり』……なんとも地獄のようだ。
会ってまだ二回目の人と何を話せと。

心の中で兄に恨みを込めた。


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