逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
 少しノスタルジックな気持ちになりながら、私は話を続けた。蓮さんは小さく頷きながら、静かに耳を傾けてくれている。

「冬になると雪が1、2メートルは積もるから、みんなで大きな雪だるまやかまくらを作ったりしたの。そういえば、あまり車が通らない道に大きな雪だるまを並べてたら、たまたま通りかかったお巡りさんにひどく怒られたこともあったな」

 蓮さんは面白そうに笑った。

「そうしたら明日香ちゃんが『雪だるまを移築しよう!』って言い出してね。ずっしり重い雪だるまを、みんなでヒィヒィ言いながら隣の畑まで運んだの。でもその夜から記録的な大雪になって、2日後に見に行ったら、雪だるまが全部埋もれてた」

 蓮さんは目を細めて、くすくすと笑っている。その表情に、いつまでもここで話していたいような気分になった。

 私たちが歩く道沿いには、昭和の住宅や大きな屋根の古民家、新築の家、リンゴ畑が点在している。それぞれの家の敷地は広く、庭木も多い。

 住宅の背後には森林と田園地帯が広がり、南側が開けているので日当たりも抜群だ。
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