逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
「連さんにこのローカル風景も見てほしくて、少し手前で降ろしてもらったの。いい景色でしょう?」

「うん。すごく気持ちいいね」と蓮さんは微笑みながら、周囲を興味深そうに見回している。

「うちの家族のこと話すね。父は会社員で、母はスーパーのパートさん。弟がいるけど、今日は予定が合わなくて来てないの。うちで規格外なのは……おばあちゃんかな」

 蓮さんは私を見た。

「おばあちゃん? どう規格外なの?」

「一言で言うと『活動的』かな。会えばわかるよ。活動的すぎてどこかに出かけてるかもしれないけど……」

 実家の前で足を止めて、「ここがうちです」と伝えた。

 私の実家は、祖父母が農業と駄菓子屋を営んでいた名残で敷地が広い。

 今では作業場も店舗もなくなり、代わりに母が丹精するナチュラルガーデンや、父が手入れする家庭菜園が広がっている。家は古民家を減築したモダンな平屋で、日当たりと風通しの良さが自慢だ。

 蓮さんは庭を見渡し、ガーデンの奥で視線を止めた。

 そこには高さ4メートルほどの木製ボルダリングウォールがあり、カラフルなホールドを伝ってしなやかに壁を登る人影があった。

「あ、今日はジムじゃなかったんだ。おーい、おばあちゃん!」
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