逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
「和樹、あなたの記憶は三葉虫の化石なの? あれから何年経ったと思ってるの。私にはもう、あなたに未練なんてこれっぽっちもないからね」
はっきりさせるために、私は強めに釘を刺す。
「残念だけど、薫にはあんたが足でピアノ弾いても敵わないような婚約者がいるんだから」
運ばれてきたティラミスをスプーンですくいながら、明日香ちゃんがきっぱりと言った。和樹はぐっと口をつぐみ、恥じ入るように視線を落とす。
「……蓮さん、だっけ? あの人を見たときに、あ、こりゃかなわないなって思ったよ。あのあと、亮たちにも聞いたら、めちゃくちゃいい人だって言ってたし……」
それを聞いて、私はちょっと誇らしくなった。そう、蓮さんは温かくて、誠実で、とびきり素敵な人なの。さすが亮くん、分かってらっしゃる。
──だけど。
蓮さんの笑顔の奥にある本当の想いを、私はまだ知らない。彼のことを少しはわかっているつもりでも、その心の深い場所には、まだ手が届いていない気がしていた。
そんな私の気持ちに気づくこともなく、和樹は続ける。
はっきりさせるために、私は強めに釘を刺す。
「残念だけど、薫にはあんたが足でピアノ弾いても敵わないような婚約者がいるんだから」
運ばれてきたティラミスをスプーンですくいながら、明日香ちゃんがきっぱりと言った。和樹はぐっと口をつぐみ、恥じ入るように視線を落とす。
「……蓮さん、だっけ? あの人を見たときに、あ、こりゃかなわないなって思ったよ。あのあと、亮たちにも聞いたら、めちゃくちゃいい人だって言ってたし……」
それを聞いて、私はちょっと誇らしくなった。そう、蓮さんは温かくて、誠実で、とびきり素敵な人なの。さすが亮くん、分かってらっしゃる。
──だけど。
蓮さんの笑顔の奥にある本当の想いを、私はまだ知らない。彼のことを少しはわかっているつもりでも、その心の深い場所には、まだ手が届いていない気がしていた。
そんな私の気持ちに気づくこともなく、和樹は続ける。