逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
 私はシーツを持ち上げて、恐る恐る自分の服を確認した。だけど、以前のように下着姿ではなく、昨日着た服のままだった。

 せっかく友記子とユリさんに選んでもらった服が、しわくちゃで悲しい状態になっている。

 何だか無視できない違和感を抱きながら、私は主寝室を後にした。昨日、あんなに蓮さんを近くに感じた後なので、彼に会うのは少し気恥ずかしい。

 だけど部屋から出てみると、家の中は静まり返っていた。隣の蓮さんの部屋のドアは、いつも彼が不在の時そうしているように、全開になっている。中には誰もいない。

 キッチンのカウンターには1枚のメモが置かれている。手に取って見ると、蓮さんらしい角張った丁寧な文字が並んでいた。

──MTG(ミーティング)があるので先に出ます。パン、スープ、サラダは作り置きがあるので、適当に食べてください。これからしばらくの間、仕事が忙しくなり、帰りの時間も不規則になります。しばらくは主寝室を使ってください──

 ……これ、業務連絡?

 いやに他人行儀なメモを見ながら、「別々に寝ようってことか」と、ひとり呟いた。
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