逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
広瀬さんは笑顔で頷いた。まるで彼女が私の保護者になったような気分になる。車を見送った後、彼女は倉本先生に向かって声をかけた。
「倉本さん、椿井さんが現在抱えている案件はありますか?」
「ええ、連ドラを1本」
「それなら、すぐに他の方に引き継いでください。椿井さんには、この脚本に全力を注いでいただきますので」
脚本界の重鎮である倉本先生に対しても、有無を言わせぬ口調だ。普段、人から指示を受けることのない先生は、一瞬不快そうな顔をしたが、今の状況を考え直したのだろう、ぐっと言葉を呑み込んだ。
「それでは椿井さん。説明しますので、会議室に行きましょう」
* * *
会議室に入ると、さっきまでの出来事が嘘のように静まり返っていた。
広瀬さんと私は、広いテーブルを挟んで向き合った。二人きりになってから、彼女は一言も言葉を発しない。空気は張り詰め、なんとも気まずい沈黙が重くのしかかる。
「ねぇ、あなたさ」
広瀬さんの言葉遣いが、急にぞんざいになる。ひと目でハイブランドとわかるエディターズバッグから書類の束を取り出し、広瀬さんは気だるそうに言った。
「結局、出雲くんとどういう関係なの?」