逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
「どうって……」

 不意を突かれた私は、困惑して眉をひそめた。これから話すのはビジネスのことだよね? ガールズトークじゃないよね?

「その質問にお答えする必要はないと思います」

 もっと強い言葉で、彼女の質問を跳ね返すべきだったかもしれない。

 だけど、この案件を進められるかどうかは、広瀬さんの協力にかかっているのは明らかだった。彼女の力なしでは、この大きなプロジェクトを切り抜けるのは難しいだろう。

 私は、彼女に最低限の不快感を伝えるにとどめることにした。この話題を避けたいことが伝わればそれでいい。だけど広瀬さんは、まるで値踏みをするような冷たい視線を私に投げかけ続けた。

「……今回のテーマは、愛する人との別れよ。ある女性には愛する婚約者がいたけど、その彼が突然難病に侵される。彼女の夢を諦めさせたくない彼は、病気を打ち明けずに、彼女を振る。その彼女の絶望と再生を描くのが、あなたの仕事」

 絶望と、再生……。

 どう返事をすればいいのか分からず、私は眼の前に置いたノートをじっと見つめた。再生なら、わかる気がする。
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