逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
 今朝の蓮さんは、見たこともないくらい自信に満ち溢れていた。だけど今の、これほどまで余裕のない蓮さんを見るのも初めてだ。

 切なさが胸いっぱいに広がって、私はただ、必死で頷くのが精一杯だった。

 蓮さんが私を抱え上げようとした瞬間、私はとっさに「重いよ」と言いかけた。だけど唇で言葉を奪われ、何も言えなくなる。そして驚くほど軽々と抱き上げられ、私は蓮さんの寝室へと運ばれた。

 蓮さんは何度もキスを重ねながら、私をそっとベッドに横たえた。そして、焦れるような手つきでネクタイを解き、ワイシャツを一気に脱ぐ。

 その時、彼の脇腹に刻まれた古い傷跡が目にとまった。

 思わず体を起こし、手を伸ばしてその傷跡に触れてみる。長い時間をかけて癒えた傷は、まるで、蓮さんが乗り越えてきた痛みを物語っているかのようだった。

 私は傷跡に顔を寄せ、そっと口づけた。彼の素肌からは、日向(ひなた)のような乾いた温かい香りがした。

「薫……」

 蓮さんは私を強く抱き寄せ、また唇を重ねる。彼の指が胸元へと伸び……ボタンをひとつ、外した。

「蓮さん、ごめん……ちょっと、待って」
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