逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
 顔をそむけて唇から逃れ、私は蓮さんを止めた。一応……言っておかねばならないことがある。自分が壊れてしまいそうなほど高鳴る鼓動を抑えながら、私は口を開いた。

「あの、ですね……私、まだ……経験が……」

 目をぎゅっと閉じたまま、ようやく言葉を絞り出す。恥ずかしさに耐えきれなくて、蓮さんの顔を見る勇気はなかった。

 ほんの一瞬の静寂が流れた後、蓮さんがゆっくりと私の耳元に顔を近づけてきた。彼の吐息が耳に触れ、耳たぶが優しく噛まれる。それから、微かにかすれた甘い声が囁いた。

「優しくするから……()めてとは言わないで」

 その言葉に、胸の奥が熱く締めつけられ、なぜか涙が溢れそうになる。私は蓮さんに「好き」と伝えようと、口を開けた。

 その瞬間に再び唇が重なり、私の言葉は彼の温もりの中に溶けて消えていく。

 気づいたときには、すべてを預けるように、私は彼の腕の中へと沈んでいった。
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