逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
 私は曖昧に頷いた。……蓮さんと理央さんにどんな事情があるにしろ、きっと私の方が浮気相手だ。『婚約者兼浮気相手』。そんな言葉、聞いたこともない。

 笑おうと思ったのに、また涙が込み上げてきた。

「ちょっと、まだ泣き足りないの? 初恋じゃあるまいし……」

 広瀬さんの言葉に、私はふっと黙り込む。

「待って……まさか、初恋だったの?」

 私は少し躊躇してから、静かに頷いた。広瀬さんは、驚いたように目を見開く。

「幼い片思いを除けば、これが初めての恋でした」

「確か、スーパーで会った時、出会ってまだ2カ月だって言ってたわよね?」

 私は再び頷いた。その瞬間、広瀬さんの目が鋭く光った気がした。

 彼女は、ファイルからコピー用紙の束を取り出し、乱雑にめくりながら言った。

「出雲くんがあなたに脚本を任せたいって言い出してから、あなたの実績を少し調べさせてもらったの。ここ数年の倉本先生の代表作の中で、神回と呼ばれるエピソード、ほとんどあなたが書いてるでしょ?」
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