逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
「すぐにデータをサーバにアップして、出雲くんと共有するわ。それから……私は一度会社に戻るけど、薫も一緒に来る?」

 私は首を横に振った。

「今はこの気持ちをじっくり味わいたいので、やめておきます。時間になったら直接レストランに向かいますね」

「そう。わかった」

 知里さんはそう言ってから、ふっと柔らかく笑った。

「薫、本当によく頑張った。誕生日の夜に、何かいいことが起こるといいわね」

 その言葉に、心が温かくなる。

「いいことなら、もう十分過ぎるくらい起こっています。知里さんに脚本を褒めていただけたし、大切な友人たちと一緒に食事ができる。これ以上のいいことなんて……思いつきません」

 その時、LINEの通知音が鳴った。私はスマホを見て、思わず笑顔になった。

「あ、いいことがもう一つありました。弟の祐介(ゆうすけ)からハッピーバースデーのメッセージです」

 知里さんは帰り支度をしながら「弟さんがいるのね」と言った。

「東京? どんなお仕事をしているの?」

 私は言葉を選びながら答える。

「こっちで派遣社員をしながら……高校の同級生とコンビを組んで、お笑い芸人を目指しています」

 知里さんは驚いたように目を見開いた。
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