逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
 いいことを思いついた。逆に、レストランでの待ち合わせ時間までは蓮さんのことを考えてもいいことにしよう。それが、自分にあげられる最高の誕生日プレゼントだ。

 そう思ったとたん、心がふっと軽くなった。まるで足かせが外れたように気持ちが楽になるのを感じて、ああ、やっぱり私は無理していたんだなと実感する。

 浮足立った気持ちで、さっきまで避けていた紳士雑貨のフロアに向かい、クリスマスプレゼントのディスプレイを眺めた。もし、蓮さんにクリスマスプレゼントをあげるとしたら……。

「ネクタイかな」

 蓮さんに似合いそうなネクタイを探しているうちに、なんとなく、彼の好みが分かってきた気がした。

 彼はきっと、クラシックとモダンが融合したようなデザインが好きなんだろう。落ち着いた色調に、同系色の控えめな柄が光の角度によって浮かび上がるようなさりげなさが、蓮さんにはよく似合う。派手さはないけれど、素材の上質さが一目でわかる仕立てで、彼の品位を自然と引き立てる……そんなネクタイだ。

 イタリアのハイブランドのショップで、1本のネクタイが目にとまった。
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