逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
 乾いた音が響いた瞬間、胸の奥からふいに温かいものがあふれた。──私たちはもう、契約の関係じゃないんだ。

 笑顔と一緒に、涙まで込み上げてくる。滲んだ視界の向こうで、蓮さんが目を細めて微笑んだ。

「全部、最初からやり直したい」

 一瞬、緊張したように息を吸って、蓮さんは私をまっすぐに見つめる。

「薫が好きです。──僕と付き合ってください」

 心が温かく包み込まれるような、甘い喜びが押し寄せてくる。まるで夢の中にいるようで、私はただ、蓮さんの澄んだ瞳を見つめ続けることしかできなかった。

 やっとのことで、喉から言葉が出てくる。「蓮さん、私……」

 その時、後ろのテーブルからメニューを乱雑に広げる音が響いた。

「かー、やってられないわ。料理まだかしらね」と知里さんがビールを飲み干す。

「ほんとですよね、知里さん。赤ワインとスプマンテをボトルで頼みましょう。あと、デザートも全種類頼みましょう」

「俺、ポンドステーキの気分になってきた。テキサススペシャルとワイオミングスペシャル、どっちがいいかな。両方いっちゃう?」
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