逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
「どうしてその道を選んだの?」と何気なく聞く。すると理央さんは、包み込むような温かい笑顔を向けた。

「お母さんがアルコール依存症って話、兄さんから聞いた?」

 私は少しだけ躊躇してから頷いた。

「うちの母ね、私が中学生のときの授業参観に、酔っ払った状態で来ちゃったことがあってね」

 びっくりして理央さんを見ると、彼女は「もう大丈夫」とでも言いたげに笑ってみせた。

「入口で止められなかったところを見ると、多分校内に入ってから、トイレかどこかで小瓶のリカーを煽ったんだと思う。教室でお酒の匂いをプンプンさせながら立っていて、周りの保護者はそれを見てヒソヒソ話してた。気づいた副担任が、教室から母を連れ出そうとした時、母が抵抗して暴れて、警備員(セキュリティ)まで呼ばれちゃって……いや、あれは本当にキツイ体験だった」

 理央さんは、あははと明るく笑った。だけど、思春期の女の子が、クラスメイトの前で母親のそんな姿を目の当たりにするなんて……想像しただけで、胸が張り裂けそうになる。
< 324 / 590 >

この作品をシェア

pagetop