逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
 蓮さんは視線を落とし、静かに息をついた。次の瞬間、彼の腕が伸び、私は不意にその胸に抱き寄せられていた。ルームウェア越しに伝わるしなやかな筋肉と速まる鼓動に、呼吸さえ忘れそうになる。

 ああ、理央さんに教えてあげたい──「あなたのお兄さん、細いけれど意外と筋肉ありますよ」って。もちろん、そんなこと言えるわけないけれど。

「連さん?」身をよじって見上げると、彼は耳まで赤く染まっていた。

「あれは……反省しています、という意味です」

「反省?」

 蓮さんは私をさらに強く抱き寄せ、顔を見せないようにする。

「その……用意もしてないのに、最後までして、ごめん……という意味です」

 今度はわたしが赤くなる番だった。あのとき──脚本を書いているときに得た中途半端な知識に基づいて、「大丈夫だから」と言ってしまったのは私のほうなのに……。

「あれは……私が」

 私の言葉を遮るように、蓮さんは、抱きしめる腕にさらに力を込めて言う。

「いや、日を改めるべきだった……ごめん」

 少しの間、沈黙が流れる。蓮さんはほんのわずかにためらいながら、耳元でそっと囁いた。
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