逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
 私は彼の耳に触れ、その輪郭をそっとなぞった。蓮さんの体温が、さらに高くなった気がする。……もう抗えるわけがない。私は選んだ。

「このままで……」

 最初の夜と同じように、彼は私を抱きかかえてベッドへと運び、シーツの上に横たえた。唇が、何度も繰り返し重なる。その表情からは、いつもの穏やかさや余裕は消えてなくなっていた。

 ()れながらシャツを脱ごうとする彼の手を取り、私は「蓮さん、ちょっとだけ待って」と言った。

 だけど彼はその手を引き寄せ、またキスを求めてくる。

「シャワーは諦めたんだから、少しだけ待って」

 はっきりした声で言うと、蓮さんは動きを止め、少し戸惑ったように私を見つめた。

「ごめん……嫌だった?」

 彼の真剣な表情に、私は慌てて首を振る。

「嫌じゃない。ただ、その前に言いたいことがあるの」

 隣に座ってもらい、私は乱れた息を整えながら背筋を伸ばした。

「蓮さん」

「はい」

 彼も姿勢を正し、まっすぐに私を見つめた。──初めて会ったときと同じ澄んだ深い色の瞳が、そこにはあった。
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