逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
 蓮さんは、握っていた私の手をそっと自分の唇に押し当てた。その柔らかい感触に、鼓動が速くなるのを感じる。

 同じように触れたい──そんな思いが湧き上がり、私は握られている指先をゆっくりと広げた。手のひらで蓮さんの頬を包み込むと、彼の肌から心地よい体温が伝わってきた。

「……蓮さん、今日、会社は?」

「半休を取ってあるから、お昼に出れば十分間に合うよ。──薫も、フレックスだから午後からでいいんだよね?」

 そう言いながら、蓮さんがゆっくりと顔を近づけてくる。視線が重なり、次の瞬間、唇がそっと触れ合った。

 そのキスは優しくて、幸福感が全身に染み渡っていく。目を閉じると、私の世界は彼の香りと体温だけで満たされた。

 唇が静かに離れ、蓮さんが柔らかな声で囁くように言った。

「シャワーを浴びてから、簡単に朝食の準備をしてくる」

 蓮さんがベッドから立ち上がる。朝の光が裸の背中を優しく照らし、引き締まったラインに繊細な影を落とした。そのシルエットはまるで彫刻のように美しくて、私は思わず見とれてしまった。
< 351 / 590 >

この作品をシェア

pagetop