逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
 蓮さんは、両手で顔を覆って、深い溜め息をついた。

「やっぱり、ダメだよね?」

 小さく頭を振りながら、彼は「ダメじゃない、いいんだ」と答えた。

「薫の弟さんなら全然構わない。ゆっくり部屋を探してもらえればと思ってる。ただ……」

 蓮さんが顔を上げた。その表情には、ほんの少しだけ拗ねたような色が浮かんでいる。

「──やっと、薫と二人で暮らせると思ったのに」

 その言葉に、胸がきゅっと締め付けられる。蓮さんが愛おしくて、でもそれ以上に申し訳ない気持ちでいっぱいになった。

 ──もう、蓮さんにこんな顔をさせるくらいなら、祐介に犠牲になってもらうほうがいい気がしてきた。

「それじゃ、断ろう。祐介ももう大人だし、きっと一人でなんとかできるでしょう」

 勢いでそう提案した私に、今度は連さんが首を振った。

「それじゃあんまりだよ。薫の弟さんなんだし、力になれるところは協力する」

「でも……」

「新しい部屋が見つかるまで、リビングを使ってもらってかまわないから」

 そう言うと、彼はフォークを手に取り、またサラダを口に運ぶ。私もつられて、ベーグルサンドにかじりつく。
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