逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
 おばあちゃんの秘伝のレシピで作った肉じゃがは、案の定、蓮さんの口にも合ったようだった。

「へぇ、しらたき入りなんだね。味に深みがあるのは……もしかして、少し味噌を入れてる?」

 祐介は嬉しそうに頷く。

「正解っ! これ、自家製味噌なんですよ」

「なるほど。これは美味しいね」

 蓮さんは、満足気に箸を進める。その様子をしばらく見ていた祐介だったが、ふと真剣な表情になり、口を開いた。

「ねぇ、蓮さん。さっきの質問の答えなんだけどさ……」

 蓮さんが顔を上げると、祐介もまっすぐにその視線を受け止めた。軽い口調とは裏腹に、祐介の目には真剣な光が宿っていた。

「俺、20年後に今を振り返ったときに、自分自身ににがっかりするのが嫌なんですよ。だから、安全な港なんてさっさと出ちゃってさ、帆をバーンって思い切り広げて、この体中に貿易風をブワーって受けながら、大海原を進んで行きたい──そう思ってるんです」

 祐介は照れ隠しのように親指を立て、「まあ、人からの受け売りなんすけどね」と言いながら、わざとらしいウィンクを投げた。
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