逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
「頑張らなくても、連さんのままでいてくれるだけで、それが一番うれしい」

 蓮さんの顔に、穏やかな微笑みが広がる。私たちの間に流れる静かな空気が、何よりも愛しく感じられた。

「ねえ、薫」

 しばらくして、蓮さんがゆっくりと口を開いた。

「明日は日曜だし……このまま新幹線に乗って、熱海か伊豆の温泉に行かない?」

 思いがけない提案に驚き、私は蓮さんを見つめる。

「スウィートルームならどこかしら空きはあるだろうし、必要なものは現地で揃えればいい。……どうかな?」

 なんて魅力的なお誘いだろう。蓮さんの期待を込めた眼差しに、胸が高鳴った。二つ返事で新幹線駅へ直行したい気持ちが胸をよぎる。

「……だめ?」

 期待と不安が入り混じった蓮さんの声が、私の心を甘く揺さぶった。だめなわけない。

「うれしい」と答えようとしたその瞬間、ポケットのスマホが無情にも振動した。連続するメッセージの通知音に、私は一瞬だけ現実へと引き戻される。

「ちょっとごめんね」と蓮さんに断りを入れ、スマホを取り出して画面を見た。 画面には祐介の喜びが溢れる文字が並んでいた。

 ──姉ちゃん、信じられるか!?
 ──ねこつぐら、合格!!!!!
 ──オーディション突破!!!
 ──古美多で祝賀会やろうぜ!
 ──17時に集合な!
 ──もちろん、蓮さんも連れてきてくれよ!

 祐介……せめて明日にしてくれればよかったのに。
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