逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
 食事は穏やかに進んでいった。けれど、私たちの笑顔には、どこかぎこちなさが残る。

 その理由は──きっと、私も蓮さんも、同じだった。

 久しぶりに一緒に過ごす夜。ただ隣で眠るだけなのに……どうしてこんなにも、胸が高鳴るのだろう。



 その夜、私は蓮さんのベッドで眠った。

 宣言通り、彼は私に触れなかった。

 それでも、彼がただ隣にいるだけで、張り詰めていた心が静かにほどけていくのを感じた。泣いたあとの心地よい疲労感と、蓮さんがそばにいる安心感に包まれて、私はすぐに深い眠りへと落ちていく。

 どれくらい眠っただろう、ふと意識が浮かび上がった。

 夢の淵で、手の甲にそっと、ぬくもりが触れる。熱を帯びた指先がゆっくりと絡まり、私を確かめるように、親指が優しく撫でた。

 まどろみの境界で、その仕草に宿る想いが、指先から静かに伝わってくる。意識がふわりと溶けていくのを感じながら、私はその流れに身を委ねた。

 ──そのとき、かすかに蓮さんの声が聞こえた気がした。

「愛してる」

 それが夢だったのか、現実だったのか──。朝、目が覚めて思い出してからも、確かめる勇気は、私にはなかった。
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