逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
「そしたら伊吹が、俺とシンゴの間に立ちはだかって、『やめろよ』って言ったんだよ。あの気弱な伊吹が、震えながらだよ? で、シンゴが睨んだだけで伊吹は漏らして泣き出してさ、それをからかったシンゴと俺で喧嘩になったんだ。まあ、六歳児同士の喧嘩だから、他愛もないもんだったけどな」

 すっかり冷めたミルクティーを飲み干して、祐介は少し笑った。

「でも、俺、六歳児ながらに思ったんだ。これから先、伊吹が困ってるときは、俺が駆けつけて助けてやろうって。……それなのに、知らないうちに伊吹のことを追い詰めてたなんて、笑えるよな」

 かける言葉を探したが、何も見つからなかった。

 祐介と伊吹くんが積み重ねてきた時間は、どこまでいっても、彼らだけのものなのだ。結局、私にできることは──祐介の決断を、受け入れることだけなのかもしれない。

 胸の奥が締めつけられるような切なさに襲われ、思わず視線を彷徨わせる。ふと、蓮さんが作った肉じゃがの鍋が目に入った。

「祐介、お腹空いてない? 昨日、蓮さんが肉じゃがを作ってくれたんだけど、これがすごいの」

 おばあちゃんと全く同じ味──そう言おうとした瞬間、祐介が言葉を遮った。

「大丈夫。食欲、あまりなくてさ」

 そのまま、彼はゆっくりとソファから立ち上がる。

「ミルクティー、ご馳走さん」
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