初恋は実らない?
告白(航輔と雅)
テストも終わり、部活が再開された。
グランドにいると華と目が合った。
その時、
「佐伯君、鮎川さんと付き合ってるの?」
まだ名前は覚えてないけど、クラスの女子から声を掛けられた。
確か外部受験生だったような…。
「いや、付き合ってねーし」
ホントに付き合ってない。
「なら、良ければ付き合ってもらえませんか」
上を向いたら、まだ華が見てる。
付き合えば華が虐めに遭うことは無いはず。
「別に良いよ」
その後のことは覚えていない。
彼女がガッツポーズをしていたなんて。
「じゃ、部活が終わるまで待ってるね」
彼女が言ったことは聞こえてこなかった。

気が付けば部活の仲間がニヤニヤ囲んでいる。
「鮎川は藤堂と付き合ってるみたいだし、佐伯は鈴木かぁ」
「美男美女で絵になるねぇ」
やはり華は藤堂と付き合ってるんだ。
あとのことはどうでも良かった。

あの娘、鈴木って言うんだ。
学年で美人で有名な子だったらしい。
今まで女子には煩いだけで興味が無かった。

ただ今の俺を見て華がどう思ったのか気になった。
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