そばにいるって、君が忘れないように
「あのね……おばあちゃんが病気になっちゃってさ。なんか、心から出る気持ちが全部ナーバスになっちゃったっていうか、自分でもよく分からないんだけど」


すると優弥先輩は、少し微笑んで「おばあちゃんは治るよ」と言った。

 
それは、私がおばあちゃんのことを教える前からそのことを知っていたかのような発言だった。


「なんでそんな根拠もないこと言えるの?」と私は訊いた。

 
本当ならば、おばあちゃんの何を知っているの、と怒鳴りたくもあった。

だが、それができなかった。

それは、あまりにも優弥先輩が真面目な顔で、本当に起こることであるかのように言うからである。


「さあね」
 

なにかを誤魔化すように吐き捨て、優弥先輩は厚い唇を横に伸ばした。









キングside
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