そばにいるって、君が忘れないように
コクンとキングは頷く。
「えええええええ!」
私はその場に崩れ込んでしまった。
大丈夫か!? と五人が私のまわりに焦りながら集まってきた。
「大丈夫じゃないよ……」
中江に脅される前から私だって五人と連絡取りたいなって思ってたのにぃ!
なんか分からないけど、フラれた感じがした。
それに……中江にはなんて言えばいいのかが分からない。
五人は連絡先を持っていないそうです、なんて言ったら、きっと嘘だと思われる。
このご時世、特にこの人たちに関しては、絶対にそんなことなどありえなさそうなのに。
「もともとは持ってたんやけどね、教員に没収されるのが多くてな、面倒だったからどうせなら持たなくてもいいんやないかって話になったわけ」とキングは言った。「で、没収されたまんま、そのままや」
「何、そのことだけを聞きに来たのかよ?」
創先輩が少し微笑みながら私を見下ろす。
「その、ものすごい顔で?」
優弥先輩がバカにしたように笑った。
「べ、べつにいいじゃん! 知りたかっただけだもん」
私は優弥先輩にべー、と言いながら赤目を見せた。
「あーあ! そんなことしたら幽霊が取り憑いちゃうよ~!」
「お前に取り憑くわ」と亮先輩が優弥先輩の頭を叩いた。
「え~、なんで僕ちゃんなの!」
優弥先輩は厚い唇を突き出している。
先輩たちのいつもの会話に自然と笑顔が溢れてしまった。
でもこれから肝心なのは、中江になんて言えばいいのかだ。
私は下手に嘘をつくなんてことはできない。
それは自分でも分かっている。
素直に打ち明けるしか方法はないのかもしれなかった。