一途な気持ちは今日も(※3話目大幅編集につき非公開)

だから唯一、橘さんが接客をする時間帯を狙って来るようにした。
この時間帯なら橘さんは外に出てくると、長年通ってわかったことだから。
少しでも接点と言うか、お話ができたらと言うか……顔が見れたら良いなぁって。


橘さんを見るだけで幸せだし、疲れなんて吹っ飛んでいくからここ最近、平日の日は毎日通ってる。


私のこの気持ちは誰にも教えていない。
自分の中で溢れ出さないようにセーブして、蓋を閉める。

麻衣さんは私の気持ちに気付いているのだろうけど、いいの。このままで。
遠くから見ているだけで幸せだもの。これ以上のものは望まない。

目の保養。それだけでいいんだ。



「どうぞ、カフェラテです」

ゆっくりとテーブルに置かれたカフェラテ。

橘さんの声を聞くだけで胸がドキドキと騒ぎ出す。
今日は橘さんが持ってきてくれたと思うとそれだけで嬉しくて、口元が緩んでしまう。

さっきまで何も望まないって言ってたけど……やっぱり好きだなって。
少しでも近付きたいなって思っている自分がいたんだ。

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