ごめん嘘、君が好き。

そうは思ったけどあえて考えないことにする。

「「似てないから!!」」

「あはは!ハモってるー!やっぱり2人お似合いだよー、ね? 2人とも?」

小首を傾げて一ノ瀬君が私たちを交互に見る。

その視線から逃れるため横をむくと、ばっちり塔原と目が合った。

私も塔原も少しだけ気まずくて、さっと1度目をそらす。でも、もう一度顔を上げた時、また視線が交わった。

それがおかしくて2人して笑ってしまう。

「塔原、好き。」

塔原が何か話し出す前にそう言う。

一ノ瀬君のことがあるもの。これくらいのことをしても罰は当たらないわよね。

「さっきも、このくだり見たんだけど?」

照れているのを誤魔化すためか、片手で顔を覆いながらそんなことを言う。

さっきと違って私が余裕の笑みで返すと顔を覆う手が目の下くらいまでに広がった。

「あのさー、おふたりさーん? 僕のこと忘れてるよね?」

ちょっとむーっとした様子で、一ノ瀬君が口を挟んだ。

「もちろん覚えているわよ。一ノ瀬君。」

質問に答えを返す。
塔原は何も返さないからいつの間にか忘れていたのだろう。

「なんか、霞ちゃんってもしかしてちょっと小悪魔…? 」

独り言のような問いに頷きだけを返す塔原。

男子陣の間でそんなやり取りが繰り広げられていたことを高槻 霞はもちろん知らない。

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後悔ばかりの恋とか。 報われなかった恋とか。 最低な形で終わってしまった恋とか。 もしその恋のおかげで成長できて前に進めたとしても。 やっぱりちょっとは考えてしまう。 君のこと、 好きになんか、ならなきゃよかったって。

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