復讐殺人日記
☆☆☆

後方から両親の呼び止める声が聞こえてきたけれど、無視して家からも飛び出していた。
とても平常心で朝食なんてとっていられない。

両親と顔を合わせていればボロが出てしまうから、そうなる前に逃げだのだ。

幸いスマホと財布だけは持っていたし、制服には着替えていたからこのまま登校することができる。

教科書や筆記用具については、学校に行ってから考えることにした。

早足で歩いているとだんだん気持ちが落ち着いてきて、私は昨日の公園に立ち寄ることにした。

誰もいない光景にホッと胸をなでおろして公衆トイレに向かう。
鏡で自分の姿を見ると髪はボサボサでひどくみっともない。

「もう、最悪」
そうつぶやいて少し水をつけた手で整える。

朝の身支度もろくにできないまま飛び出してきてしまったことを後悔しはじめたときだった。

不意に外からニャアと猫の鳴き声が聞こえてきてトイレから出た。
そこには白猫が座っていて、こちらに視線を向けてきている。
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