復讐殺人日記
「気をつけなさいよ? 野良猫や野良犬は病気を持っているかもしれないんだから」

「わかった」
素直に頷いて自室へと向かう。
ドアを閉めるとようやく肩の荷が降りるようだった。

いい子を演じるのも疲れるんだ。
「あ~あ、今日は変なもの見ちゃって私も気分悪い」

ぶつぶつ文句を言いながら着替えを済ませて勉強机に視線を向けたときだった。

鍵付きの引き出しに片付けたはずの日記帳がなぜか机の上に出ているのだ。

「え、なんで!?」
慌てて手に取って確認する。
間違いなく保人の日記帳だ。

もしかしてお母さんに読まれた?
そう考えてゾッとした。

この日記帳には私達の名前や、やったことが鮮明に書かれている。
バレれば言い逃れするのは難しい。

本棚に走って隠してあった鍵を確認すると、同じ場所にあることがわかった。
お母さんは日記帳を読んだあと鍵は元に戻したんだろうか?

でも、日記帳だって元に戻しておかないと読んだことが私にすぐバレてしまうのに。
疑問に感じつつ、大慌てでリビングへ向かった。
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