妃候補なんて興味ありません!
パーティー
敵国を追い払ったことのパーティーが開催されるとわかったのは、その日の昼食時だった。

「戦いの片付けが昨日でようやく終わったので、街でもパーティーが開かれるそうです。そのタイミングで、城でもなにか催そうという提案が出たみたいですね」

リュナが城の従者たちから聞きかじった話を聞かせてくれる。
「それなら街のパーティーに参加したいわ」

「それはダメです。それができないから、城内でなにかしようとフィリップ王子は考えたのですから」

自分の希望をバッサリとひていされたシーラは少しばかりふてくされた顔になってしまった。

城内のパーティーなら不参加というわけにはいかないだろう。
だけど顔を出せば不躾な姫たちからまた噂を立てられるのが目に見えている。

シーラはやれやれとため息を吐き出した。
「ドレスは用意してありますので、そのつもりでいてくださいね」
リュナの有無も言わさぬ声色にシーラは渋々頷いたのだった。
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