【短】卒業〜各務昴の場合〜
それからはひたすら影で他の男を牽制しつつ彼女と身体の関係を続ける日々が続いた。
俺は助手で彼女は学生だ。
公の関係になるには卒業を待たないと駄目だろう。
それに、やはり彼女は人と一線を引いて接している。
今の状態で告白したところで玉砕する事は目に見えていた。
彼女は決して特別な存在を作らない。
仲の良い友人は大学内にいるようだが、その子達にさえどこかよそよそしく見える時がある。
人と深く関わるのを恐れているのかもしれない。
俺にとっては好都合だった。
卒業までは身体の関係で繋ぎ止めておいて、それまでの間に自分が信用するに足る人間だと教え込む。
先に身体を繋げておいて信用も何もないとも思うが、正攻法が通じない彼女が相手なのだ。少なくとも生理的に嫌悪されている訳でもないだろう。
使えるものはなんでも使う。そう心に誓った。
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