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香の日記より
2月●日。晴れのち曇り。




朝のうちはよく晴れていてとても気持ちがいい1日が始まると思ってたんだけど、午後からだんだん雲が増え始めて気がついたら小さな雪が降ってきた。

すぐに帰りたい気分だったけれど、今日の数学の勉強でどうしてもわからないところがあったから、放課後図書室へ向かってちょっとだけ勉強して帰ることにした。

学校なら、職員室へ行けば先生に質問できるから。

時々家で勉強していてお母さんやお父さんに問題の解き方を教わるんだけど、ふたりとも『お父さんたちが教わった時と今では、解き方が異なっているから香の方が詳しいはずだよ』と、はぐらかされてしまう。

たぶんだけど、ふたりとも勉強が苦手でわからないんだと思う。
そんなこと、口に出しては言えないけど。

授業中にはわからなかった数学の問題にとりくんで、なんとなく理解できてきたとき、慶太が近づいてきた。

いつもの調子で私のことを真面目だの面白みがないだのとからかってくるんだと警戒してたけど、なんだか顔色が悪かった。
「どうしたの?」
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