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その後
ふたりが自分たちの地元の駅へ降り立った時、香は大きく深呼吸をした。

津山に比べれば随分暖かく、肺を刺激するような冷たい空気は入って来ない。

「津山もいいところだったけれど、やっぱり住み慣れた街が一番だね」

「そりゃそうだよな」
香の言葉に慶太が同意して笑った。

外はすっかり夕暮れで、もう門限も近い。
こうして戻ってこられたことが奇跡に感じられる。

今日1日の出来事は決して忘れないだろう。
「香。本当にありがとうな」

駅を出たところで慶太があらたまったことを言うので、香はなんだか照れてしまった。

「なに言ってるの。私だって助かったんだからこれで良かったんだよ」
『永遠の本』は第5話目に香の名前を出した。

あのままいれば、慶太も香も消えてしまうかもしれなかったんだ。
香が勇気を出したのは慶太のためだけじゃない。
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