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第４話（中村慶太の物語）

后丘中学校に通っていた永井慎二が行方不明になったと聞いたのは火曜日の午前中のことだった。

その日は普通に学校へ行って授業を受けていて、中村慶太も永井の姿がないことに気がついていた。

でも、風邪でもひいたんだろうと別に気にすることもなかったのに、それが急変したのは昼過ぎのことだった。

５時間目の授業は担任の国語の授業で、お腹も一杯で昼寝するのにうってつけだった。

担任の男性教師は教卓に立って話をするときにボソボソと呟くような声でしか話をしないから、教室後方に席がある慶太の場所までは聞こえてこない。

授業をする気があるのかないのか、よくわからない教師だった。
そんな担任は教室に入ってきたときからなんだか様子がおかしかった。

落ち着きがなく、顔色も悪い。
それに気がついたクラス委員長が席を立って「先生大丈夫ですか？」と、声をかけたほどだった。
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